熱力学第一法則

熱力学第一法則

熱力学第一法則というのは、平たくいうとエネルギー保存の法則です。

気体に$Q$のエネルギー(熱)を与えると、そのエネルギーは次の二つに使われます。

• 気体の温度を上げる(内部エネルギーの上昇$\varDelta U$)
• 気体を膨張させる(気体が外気にする仕事$W$)

よって、次の式が成り立ちます。

式の読み方は「与えられた熱$Q$は内部エネルギーの上昇$\varDelta U$と気体が外気にする仕事$W$に使われた。」です。

内部エネルギーとは、気体が持っている熱のことで、詳しくはこちらをご覧ください。

気体分子運動論「内部エネルギーの導出」

単原子分子の内部エネルギー $$U=\frac{3}{2}PV$$ 気体の内部エネルギーの正体 気体を構成するのは気体分子であるため、気体のエネルギーとは、気体分子の運動エネルギーということになります。 内部エネルギーは気体分子の運動エネル...

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2022.07.30

もう一つの表現

熱力学第一法則には、次のような表現の仕方もあります。

初学者が混乱しやすいところですね。

この式で書く場合は、式の読み方は

「内部エネルギー上昇$\varDelta U$は与えられた熱$Q$と外気にされた仕事$W$によって起こる。」

注意すべきは、こちらの表現では$W$は外気が気体にした仕事ということですね。

どちらの表現にせよ、エネルギー保存の意味を考えれば符号は間違わないはずです。