ベクトル解析

ベクトル場の回転rotVの定義と意味

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回転rotVの定義

ベクトル場$V$の回転$\Rot V$は次の式で定義されるベクトル量です。

ベクトル場$V=(V_x,V_y,V_z)$がある時、その回転$\Rot V$は

$$\Rot V=\left(\dd{V_z}{y}-\dd{V_y}{z},\dd{V_x}{z}-\dd{V_z}{x},\dd{V_y}{x}-\dd{V_x}{y}\right)$$

もちろん、このままでは覚えられないので、$\nabla =\left(\dd{}{x},\dd{}{y},\dd{}{z}\right)$を用いると、$\Rot V$は$\nabla$と$V$の外積なので、次のように表せます。

$$\Rot V=\nabla × V$$

回転rotVの意味

$\Rot V$はその点を回そうとする動きを表す。

より正確には、$\Rot V$の各成分は「その軸方向に右ねじを進める向きの回転」を表します。

証明

点$(x,y,z)$を中心とする$\varDelta x×\varDelta y×\varDelta z$の微小な直方体を、$z=z$平面で切った断面は次のよう。

この周りのベクトルが長方形を半時計向きに回そうとする力を考える。

例えば、図の右側の青矢印の場合は点$(x+\frac{\varDelta x}{2},y,z)$での$y$方向ベクトルなので、$V_y(x+\frac{\varDelta x}{2},y,z)$と表される。

$V_y(x+\frac{\varDelta x}{2},y,z)$の流れが面積$\varDelta y\varDelta z$(右面の面積)分なので、これは反時計回りに$V_y(x+\frac{\varDelta x}{2},y,z)\varDelta y\varDelta z$の力があることになる。

同様に考えていくと、長方形を半時計周りに回そうとする力の合計は、

$$\left\{V_y(x+\frac{\varDelta x}{2},y,z)-V_y(x-\frac{\varDelta x}{2},y,z)\right\}\varDelta y\varDelta z$$

$$+\left\{V_x(x,y-\frac{\varDelta y}{2},z)-V_x(x,y+\frac{\varDelta y}{2},z)-\right\}\varDelta x\varDelta z$$

ここで、テイラー展開を用いて一次近似すると、

$$\left\{V_y(x,y,z)+\dd{V_y}{x}\frac{\varDelta x}{2}-V_y(x,y,z)+\dd{V_y}{x}\frac{\varDelta x}{2}\right\}\varDelta y\varDelta z$$

$$+\left\{V_x(x,y,z)-\dd{V_x}{y}\frac{\varDelta y}{2}-V_x(x,y,z)-\dd{V_x}{y}\frac{\varDelta y}{2}\right\}\varDelta x\varDelta z$$

$$=\left(\dd{V_y}{x}-\dd{V_x}{y}\right)\varDelta x\varDelta y\varDelta z$$

よって、単位体積あたり、$z$軸方向に右ねじを進める方向の回転は

$$\dd{V_y}{x}-\dd{V_x}{y}$$

これが$\Rot V$の$z$成分となる。

この記事の執筆者
理系さん

理系の現役京大生。
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