
よく、受験生の伸びは指数関数的だと比喩されることがありますが、これはなぜなのか考えてみました。
勉強の効率
勉強するとき、理解が早い子もいれば遅い子もいますが、それは才能なのでしょうか?
多少の才能の有無はあれど、理解の速さというのは今までの経験によるものが大きいのではないかと考えます。
これまでに多くのことを学んできた人は少なくともその勉強のノウハウを持っていますし、頭の使い方にも慣れていると思います。
ここで、一つの仮説として、次のようなものを考えてみました。
勉強量と勉強効率の関係
今までの勉強量…といってもピンとこないので、今回は簡単のために知識量としておきましょう。
知識量を$Q$とでもしておくと、勉強の効率は「1時間当たりにどれほどの知識を取り入れられるか」と解釈することができます。
$\varDelta t$時間の勉強で$\varDelta Q$の知識量を得たとすると、1時間あたりに得た知識量は$\frac{\varDelta Q}{\varDelta t}$と表せます。
ここでは$\varDelta t$が限りなく小さいときを考え、微分記号$\frac{dQ}{dt}$で表しておきます。
また、「勉強の効率はこれまでの勉強量に比例する」という仮説から、比例定数をkとしておくと次の式が成り立ちます。
微分を含む方程式、微分方程式ができました。
微分方程式についてはこちらをご覧ください。
勉強時間と知識量の関係を求める
では、この微分方程式を解いて、知識量と勉強時間の関係を求めます。
この微分方程式は変数分離型の微分方程式なので、次のように左辺に$Q$、右辺に$t$を集めるように変形します。
$$\frac{dQ}{dt}=kQ$$
$$\frac{dQ}{Q}=kdt$$
この状態で両辺積分すると、
$$\int \frac{dQ}{Q}=\int kdt$$
$$\log Q=kt+C(積分定数)$$
$$Q=e^{kt+C}$$
ここで、$e^C$を新たに定数$A$とおくと、
$$Q=Ae^{kt}$$
これで$Q$と$t$の関係を求めることができました。グラフにするとこんな感じです。

初めは1しかなくても、長い間続けていればグングン伸びるようになります。
よくあるキャッチコピーで、やればやるほどお得ってやつですね。
今回出てきたeという数字についてはこちらの記事で解説しています。
また、微分や積分についても興味を持ってもらえましたらこちらの記事も是非読んでみてください(^^)
コメント