ベクトル解析

ベクトル場の発散div Vの定義と意味

ベクトル解析

発散div Vの定義

ベクトル場$V$の発散$\Div V$は次の式で定義されるスカラー量です。

ベクトル場$V=(V_x,V_y,V_z)$がある時、その発散$\Div V$は

$$\Div V=\dd{V_x}{x}+\dd{V_y}{y}+\dd{V_z}{z}$$

また、$\nabla = (\dd{}{x},\dd{}{y},\dd{}{z})$を用いると、$\Div V$は$\nabla$と$V$の内積なので、次のようにも表せます。

$$\Div V=\nabla \cdot V$$

発散div Vの意味

$\Div V$はその点でのベクトルの湧き出し(負の場合は吸い込み)を意味する。

証明

点$(x,y,z)$を中心とする$\varDelta x×\varDelta y×\varDelta z$の微小な直方体への流入量と流出量を考える。

簡単のためにまずは$x$方向についてのみ考えると、流入量$V_{in}$は点$(x-\frac{\varDelta x}{2},y,z)$におけるベクトル$V_x$が面積$\varDelta y \varDelta z$分なので、

$$V_{in}=V_x(x-\frac{\varDelta x}{2},y,z)\varDelta y \varDelta z$$

同じく流出量は点$(x+\frac{\varDelta x}{2},y,z)$におけるベクトルが面積$\varDelta y \varDelta z$分なので、

$$V_{out}=V_x(x+\frac{\varDelta x}{2},y,z)\varDelta y \varDelta z$$

よって、正味の流出量(流出量-流入量)は

$$V_x(x+\frac{\varDelta x}{2},y,z)-V_x(x-\frac{\varDelta x}{2},y,z)$$

$$=\left\{V_x(x+\frac{\varDelta x}{2},y,z)-V_x(x-\frac{\varDelta x}{2},y,z)\right\}\varDelta y \varDelta z$$

ここで、テイラー展開を用いて一次近似すると、

$$=\left\{V_x(x,y,z)+\dd{V_x}{x}\frac{\varDelta x}{2}-V_x(x,y,z)+\dd{V_x}{x}\frac{\varDelta x}{2}\right\}\varDelta y \varDelta z$$

$$=\dd{V_x}{x}\varDelta x \varDelta y \varDelta z$$

また、$y$方向・$z$方向についても同様に考えると、合計の正味流出量は

$$\left(dd{V_x}{x}+dd{V_y}{y}+dd{V_z}{z}\right)\varDelta x \varDelta y \varDelta z$$

よって、単位体積あたりの正味流出量は

$$dd{V_x}{x}+dd{V_y}{y}+dd{V_z}{z}=\Div V$$

この記事の執筆者
理系さん

理系の現役京大生。
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