確率

確率の加法定理・乗法定理とその証明

確率

確率の加法定理

二つの事象A,Bがある時、AまたはBが起こる確率$P(A\cup B)$は

$$P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)$$

確率の乗法定理

二つの事象A,Bがある時、AかつBが起こる確率$P(A\cup B)$は

$$P(A\cap B)=P(A)\cdot P_A(B)$$

ただし、$P_A(B)$はAが起こったもとでのBが起こる条件付き確率を表す。

確率の加法定理

確率の加法定理の公式

確率の加法定理はAまたはBが起こる確率を足し算によって表します。

AまたはB(A∪B)とは、AかBの少なくともどちらかは起こる事象を表します。

確率の加法定理

二つの事象A,Bがある時、AまたはBが起こる確率$P(A\cup B)$は

$$P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)$$

例題

例題

1,2,2,3,3,4の6枚から1枚だけ引く時、引いたカードが「奇数」または「3以上」である確立を求めよ。

解答

引いたカードが奇数である事象をA、3以上である確立をBと表すと、

$P(A)=\frac{3}{6}$、$P(B)=\frac{3}{6}$、$P(A\cap B)=\frac{4}{6}$なので、求める確率$P(A\cup B)$は

$$P(A\cup B)=\frac{3}{6}+\frac{3}{6}-\frac{4}{6}$$

$$=\frac{2}{6}=\frac{1}{3}$$

確率の加法定理の証明

証明

事象Aの起こる場合の数をn(A)と表すと、

$n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B)$が成り立つ。

この式はベン図を使えば理解すやすく、n(A)+n(B)だけでは真ん中の部分n(A∩B)が二回数えれられた状態なので、n(A)+n(B)からn(A∩B)を一回引いてあげればA∪Bを満遍なく数えることができる。

$n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B)$の両辺を全体の場合の数n(U)で割ると、

$$\frac{n(A\cup B)}{n(U)}=\frac{n(A)}{n(U)}+\frac{n(A)}{n(U)}-\frac{n(A\cap B)}{n(U)}$$

それぞれの項はそれぞれの確立を表すため、

$$P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)$$

確率の乗法定理

確率の乗法定理の公式

確率の乗法定理はAかつBが起こる確率を掛け算によって表します。

AかつB(A∩B)とは、AとBが両方とも起こる事象を表します。

確率の乗法定理

二つの事象A,Bがある時、AかつBが起こる確率$P(A\cup B)$は

$$P(A\cap B)=P(A)\cdot P_A(B)$$

ただし、$P_A(B)$はAが起こったもとでのBが起こる条件付き確率を表す。

例題

例題

1,2,2,3,3,4の6枚から2枚引く時、1枚目に引いたカードが「1」でかつ2枚目に引いたカードは「3」である確立を求めよ。

解答

1枚目に引いたカードが1である事象をA、2枚目に引いたカードが3である事象をBとすると、

$$P(A)=\frac{1}{6}$$

1枚目で1を引くと残りのカードは2,2,3,3,4の5枚なので、このとき2枚目に3を引く確率$P_A(B)$は

$$P_A(B)=\frac{3}{5}$$

よって、求める確率$P(A\cap B)$は

$$P(A\cap B)=\frac{1}{6}\cdot \frac{3}{5}$$

$$=\frac{1}{10}$$

確率の乗法定理の証明

乗法定理の証明には条件付き確率の公式を用います。

証明

Aが起こったもとでBが起こる条件付き確率$P_A(B)$は

$$P_A(B)=\frac{P(A\cap B)}{P(A)}$$

この式の両辺にP(A)をかけることによって、

$$P(A\cap B)=P(A)\cdot P_A(B)$$

条件付き確率についてはこちらをご覧ください。

まとめ

確立において「または」は足し算、「かつ」は掛け算で表します。

確率の面白い話に以下のようなものがあるので興味があれば見てみてください。

この記事の執筆者
理系さん

理系の現役京大生。
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