指向性マイクの仕組み

指向性マイクとは？

指向性マイクとは、とある1方向のみの音をよく聞き取るマイクの音で、マイクの前からの音は聞き取るけど、後ろの音は聞き取らないため、雑音が入りにくくなります。

売っているほとんどのマイクがこのタイプですね。

そもそもマイクというものは音が振動板を揺らし、その振動を電気信号に変えます。

なのでただ振動板があるだけでは全ての方向からの音を全部拾ってしまいます。

では指向性マイクはどのような仕組みで後ろの音をカットしているのでしょうか？

（やっていることはノイズキャンセリングそのものなのですが、ノイズキャンセリングイヤホンとは少し異なった仕組みになっています。ノイズキャンセリングの仕組みはこちら）

では振動板の後ろ側を遮音性のある材質で覆ってしまいましょう。これで一見解決と思いきや、そんな簡単にはうまくいきません。

音には「回り込む」という性質があるので、後ろで発生した音も前に回り込んでしまいます。これでは後ろの音はカットされません。

ここで逆転の発想。遮音材に穴を開けてしまいます。

「意味ねーじゃん！」と思うかもしれませんが、ここがミソ。遮音材の穴を『音がゆっくり進む素材』で埋めてあげます。

これだけでいいんです。

こうすることで前からの音はそのまま振動板を揺らします。

しかし後ろから入った音は「回り込む音」と「ゆっくり進む音」に別れ、振動板に同時に到達させることによって相殺し、振動板は揺れません。

ノイズキャンセリングイヤホンでは大変な技術が必要なのに対し、指向性マイクでは『到達する音に経路差を作る』ことにより自らの音を使ってノイズを消す。

大変素晴らしいアイデアだと思います。