
テイラー展開って聞いたことあるかな?

名前だけなら・・・( ̄▽ ̄)

今回はそんなテイラー展開について学んでみよう。

はい!お願いします!
テイラー展開って?
テイラー展開…と言っても名前がかっこいいだけで何も難しいことはありません。要は関数を簡単なxの多項式として見てみよう!という話です。
ですがもちろん大抵の関数は多項式では表せないので、$x=a$の近くで近似することになります。
要は微分して接線求めるみたいなものです。

$x=0$でテイラー展開してみよう
例として$sinx$を$x=0$でテイラー展開してみましょう。
つまりは$sinx$を$x=0$の近くで多項式として近似してみましょう。
($x=0$の周りでテイラー展開することをマクローリン展開と言ったりもします。)
$x=0$の近傍で
$$sinx=a_0+a_1x+a_2x^2+a_3x^3+\cdots -①$$
この$a_0,a_1,a_2,a_3,\cdots$を求めていきます。
今、$x=0$の近傍での話を考えているので$x=0$を代入することができ、$a_0=0$が求まります。
次に①を微分してみましょう。(三角関数の微分についてはこちら)
次の式になります。
$$cosx=a_1+2a_2x+3a_3x^2+4a_4x^3+\cdots -②$$
この式に$x=0$を代入すると$a_1=1$が求まります。
さらに②を微分すると
$$-sinx=2a_2+3!a_3x+4\cdot3a_4x^2+\cdots -③$$
この式にまた$x=0$を代入すると$a_2=0$が求められます。
さらに微分していき、その度に$x=0$を代入すると$a_3,a_4,\cdots$と求まっていきます。
$$-cosx=3!a_3+4!a_4x+\cdots -④$$
$$sinx=4!a_4+\cdots -⑤$$
$$a_3=-\frac{1}{3!}, a_4=0$$
よって、$sinx$は$x=0$の周りで次のように展開されます。
$$sinx=x-\frac{1}{3!}x^3+\frac{1}{5!}-\cdots$$
$x=0$以外で展開
$sinx$を$x=0$で展開してみましたが、今度は$x=π$で展開してみましょう。
同じようにしていくのですが、一つだけ置き方に工夫をしておきます。
$x=π$の近傍で
$$sinx=a_0+a_1(x-π)+a_2(x-π)^2+\cdots$$
こう置くことで、すごくいいことがあります。
$x=π$の近傍なので$x=π$を代入できるのですが、代入するときに$a_2$以降が全て消えてくれるんです。。
よって$a_0=0$。
初めにしたのと同様にしていくと$a_1,a_2,\cdots$も求めることができますね。
$x=π$の周りで
$$sinx=-(x-π)+\frac{1}{3!}(x-π)^3-\frac{1}{5!}(x-π)^5+\cdots$$
テイラー展開の一般化
例では$sinx$でやってみましたが、これを$f(x)$として、テイラー展開を公式化してみると次のようになります。
f(x)を$x=a$の周りでテイラー展開すると
$$f(x)=f(a)+\frac{f'(a)}{1!}(x-a)+\frac{f”(a)}{2!}(x-a)^2+\cdots$$
接線も実はテイラー展開
先ほどの公式の$\frac{f”(a)}{2!}(x-a)^2$以降の項を切り捨てると
$$f(x)=f(a)+f'(a)(x-a)$$
ということでなんとこれは微分を使った接線の公式ですね。
つまりは高校でよくやる「接線を求めよ」の話はテイラー展開の最初の2項だったという分けです。
以上、今回はテイラー展開についてのお話でした。